2017年3月29日水曜日

 ブルーススケール 其の参

 話を進める上でキーを C とします。ピアノや管楽器と違いギターやベースやバイオリンなどの弦楽器では同じ音程が複数箇所存在します。お堅い音楽理論書的に言えば一点ド*が複数箇所あるわけです。ではその同じ音程をどこのポジションで弾けばいいの?…つまりソロラインやフレーズの先を読んでポジションは決まるわけです。大切なのは自分に見えるポジション*を選択することです。これはとてもとてもとーっても大切なことです。何故ならばどんな曲でも弾きこなすための応用力の助けになるからです。

 ここからは私の独断的な経験値で話を進めます。前後のフレーズに伴い、手近なポジションを選択するわけですがその基本となっているポジショニング。それが形と音程を繋げるコードブロック*と言われる手法です。形とはポジションです。キーが C のブルースでしたらホームポジションは人差し指が8フレットになるでしょう。つまり6弦がルート(キーと言ってもいいでしょう)のポジション、そのポジションでのブルーススケールを形で覚えているはずですよね?そしてさらに言うならば…音程はどうでもいいのです!この音を弾けばあの音が出る…だけでオッケー!。それがミなのかファなのかなんてカンケーないですよね?つまりそうゆうこと。あとはキーによってずらすだけ。弦楽器特有の移動ドと言われる考え方です。キーが G なら人差し指が3フレット、E♭なら11フレット。そう考えれば案外簡単かも!

 ブルーススケールにメジャースケールをまぜる。コイツ何言ってるんだと思われる向きに具体的な音使いをあげてみます。まずはひとつづつ、メジャースケールの音を混ぜていってみましょう。

 私の考えでは、まず、いの一番に混ぜ込むべき重要な音は ラ です。キーからみてシックスの音です。2弦の10フレットの音です。あらゆるコードを一つのスケールで弾ききろうと目論むブルースマン諸兄においては、いわば共通安パイ?のような音です。どメジャーな曲において全てのダイアトニックなコードで共通した音程な訳です。マイナーキーでも非常に重要な音程であります。出してみてください!。

 二つ目は ミ です。キーからみてサード(長三度)の音です。これはブルースにおいてはミ♭(短三度。ブルーススケールに含まれる)とあわせて使う事が多く、遠慮がちとも言えます。しかし!コードがたくさんあるスタンダードなどではラの音についでの重要な音使いであります。つまり、トニックがシックスあるいは△*のメジャーな感じ?の…ツーファイブが出てくる様な…曲では必ず大活躍するわけです。つまりうんとメジャースケール寄りになるわけです。ただし!やはりマイナーキーにおいては扱いが難しく、サブドミナント移行時の経過音に使うくらいなのでしょうか…。

 三つ目が。この音もラと同じく常に出せる共通な音です。安心して出してください。
 
 最後がです。レとシはジャジーな雰囲気の決め手となる音です。レはともかくシにおいては、ブルースにおいてはとても慎重な扱いが要求されます。音楽において使ってはいけない音などは存在しません。ただ聴いていてハマってるかどうかは人それぞれでしょう。変わった音をうまく使うことが個性に繋がるかもしれません。私はあえてこの音を使いブルースを歌っております。

 これでメジャースケールの音が全て混ざりました。そしてもう一つ。もんのすごっく大切な音があります!。ソ♭です。ポジションは3弦11フレット。キーからみて5度の半音下です。どちらのスケールにも存在しませんが、非常に大切な音です。なぜならば…ブルースフィール満載だからです!



一点ド*
 あくまで日本における音程の表記法。2弦1フレット、3弦5フレット、4弦10フレットなどなど。ちなみにこの一オクターブ上は二点ドと言います。なんか変な言い方ですね。バカみたいですね。

自分に見えるポジション*
 大切です。後述するコードブロックを、使えるものにできるかどうかの瀬戸際です。

形と音程を繋げるコードブロック*
 コードフォームをソロラインにつなげる手法。1980年代の事と記憶します。アメリカの音楽雑誌であるギタープレイヤー誌にジョージベンソン氏のインタビュー記事が掲載され、わからない英語を辞書を片手に解読した覚えがあります。そこでこの言葉を理解しました。
 コードブロックとはスケールを見える形で具現化する事でしょう。これはギターやピアノだけにできる特殊かつ有利な手法です。コードとスケールを目視でポジショニングする事で確実なアルペジオや外さない音使いを可能にします。管楽器では無理ですがピアノやギターでは可能な訳です。また移動ドができる弦楽器ではとても重宝される技術です。簡単に言えば、コードを押さえてその音のどれかを鳴らせば間違いはないという事です。アルペジオプラス的な考え方です。

△*のメジャーな感じ?
 C△はドミソシです。このコードが出るからにはケーデンス(完結法)はツーファイブ。その前置きに6度のコードはマイナーではなくセブンスになるでしょう。このタイミングがブルーススケールの本領発揮です!