2016年8月13日土曜日

7 
大好きなブルースはアルバートキング!其の弐

 みなさんご存知の通り、左利きであるアルバートは普通の右利き用のギターをそっくりそのままひっくり返し、右手でネックを握り左手の親指のみを使って弦を弾くプレイスタイル。当然、一番細い弦が上に来る訳です。そしてなにかと話題になる謎のチューニング。低い音程の弦から順番に…

   B  E  B  E  G#  C#  

 です。これは間違いないと思います。つまり通常のチューニングのギターでは一番低い音である6弦開放の "E" の音が5弦*にあてられ、さらに五度低い "B" の音程が一番太い弦にあてられている。オープン "E6" とでも呼べるこのチューニングは、アルバートのぶっとくて長い指がかえって仇となる苦手なコードフォームの助けになっているのです。
 アルバートがコードを弾く時は基本的に中指しかつかわず、まるでボトルネック奏法の様に一本の指でぺたっと押さえポジションをかえるだけであります。5フレットのポジションを押さえれば "A"*8フレットでは "C" のコードになり、それぞれの一音程下の細い弦のポジションではセブンスのテンションが鳴らせる*のです。
 アルバートはかなり初期の頃*からこのチューニングを採用していたと思われ、終生かわることはありませんでした。
まさに "The Blues don't Change !" であります!
まだ続く。



 5弦*
二番目に太い弦。

 "A"*
正確には全ての弦を鳴らせば "A6" となりますが、6本の弦全てを鳴らす事はありません。2〜5弦を鳴らせば "Aトライアド”2弦を鳴らさなければ "Aオミットスリー”となります。アルバートは弦を上手に選んで弾き分けており、ときには2弦をまたいだり3弦をまたいだアルペジオなどを多用します。

 セブンスのテンションが鳴らせる*
そのターゲットコードに対してフレットふたつ低いポジションでは高い音程順に " 5th  9th  7th  11th  7th  11th "となり、1〜3弦を使ってナインスコードを表現します。中指一本でぱっぱぱっぱと素早く移動し、このポジションチェンジの驚くべき素早さは黒人ギタリストに共通してるように感じます。同じくスリーキングの一人であるフレディキングのおなじみのブルースインスト曲”スタンブル”や”ハイダウエイ”などでは12フレットから一気にゼロフレットまで下ってくる有名なフレーズを聴く事ができます。

 かなり初期の頃*
おそらく最初からアルバートチューニングだと私は考えます。ギターのソロラインなどから判断してみると、チェスでのアルバム”ドアトゥードア”(1953~1961)の頃からすでに、豪快なチョーキングやブルーススケールのお手本とも言える下降フレーズなどなど、アルバート節全開であります!






2016年8月11日木曜日

6
 大好きなブルースはアルバートキング!其の壱

 私がアルバートキングを知り、その凄さにしびれてしまった1980年代後半。バンドブーム以前、ブルースのCD*がかなり多く発売され始めた頃です。
 その衝撃は凄まじく!子供の頃聴いた有名なギタリストを軽く飛び越え、十代半ばに必死に取り組んでいたジャズやファンクが蘇り、その結果黒人による黒人のための音楽に深く傾いていきます。

 私は当然、あの音が出せないものか取り組みましたが…その信じられない音程差のあるポルタメント*と完璧な一人コールアンドレスポンス*、とてつもなく雄大なタイム感*に私は白旗状態。数年間格闘してみてやっと気がつきます。ああ、これは今までの自分では無理なんだ…ゼロからまた始めなきゃと…。

 たまたま幸いだった事はYouTubeも無い当時、ソフトが豊富に販売されていたこと。VHSで見る事ができたのはラッキーでした。
 ははー!チューニングが違うんだ!
 ははー!弦は意外と細そうだけど、三弦がワウンドだ!
 続く。




 ブルースのCD*
私が最も衝撃を受け、さんざん聴きまくり、さんざん音をひろったアルバートのアルバムを一枚だけあげるとしたらこれ。
 
 Thursday night in San Francisco  (1968)  by Stax

 音程差のあるポルタメント*
なんと長三度にわたるチョーキング。その間の音程を正確に自由自在に使いまくるアルバートだけにできる必殺技!ウルトラマンのスペシウム光線に匹敵します。

 一人コールアンドレスポンス*
歌の合間に自らギターでフィルインをいれる。徹底的に挟み込むのがアルバート流。

 雄大なタイム感*
一拍の感じ方の違い。私の考えではブラックミュージックにおける決定的な差。永遠の課題。



2016年8月10日水曜日

5
 読み書き学び、読み学び書く。
ある人にとっては日常の事。またある人にとっては切望しながらも日々の生活に追われ、なかなか時間をとれない。またある人は全く関心がない。
 生まれた時からブルーカラー*の私にとって、この読み書き学ぶは大変苦痛であり、母親から”勉強しなさい”とよく言われたものでした。

 私の母親は大変な読書家で蔵書も膨大、私はその本の壁を恐れて近づきませんでした。昭和の働く女性のはしりであった彼女は…自分のいるべき場所を確かにするためなのでしょうか…ひたすら読み学んだようです。しかし”書いた”もの*は今のところ残っていません

 今”書くこと”は簡単なのでしょうか?なにがどうやらただのわがままみたいな文章や…オヤジの小言*…といった文言が乱れ飛んでいる様に見受けられます。書けば書くほどその人がみえてくるようです。



 ブルーカラー*
肉体労働者。対してホワイトカラーは頭脳労働者。

 書いたもの*
絵は多数。存命のうちに文章も残してもらいたいと思っております。

 オヤジの小言*
この話がまさに!