仮想妄想コード進行そのご。
ブルースコード進行の拡大解釈を自分なりに考えてみています。
このシリーズ最後はウエスモンゴメリー先生の頭の中を想像するための「おおきなヒント」を頂いた曲「ウエストコーストブルース」を取り上げてみます。
ウエス先生のオリジナル。24小説のワルツ(三拍子)のブルースです。下記コード譜はわかりやすくするため四分の六の12小節で書いてみました。これはソロの部分のコード進行でキーはB♭です。
│B♭7 │A♭7 │
│B♭7 │Bm7 E7│
│E♭7 │E♭m7 A♭7│
│Dm7G7│D♭m7 G♭7│
│Cm7 │Cm7 F7 │
│B♭△ D♭9│G♭△ F7 │
2小節目、クイックチェンジで7度のコードに行ってますね。面白い印象的なコード進行。ドミナントセブンの裏セブンスですね。古いブルースでよく見かけるドミナントへのクイックチェンジと似たような響きになってます。
サブドミナントは普通にE♭7へ進むのですが、そのアプローチがすごい!4小節目、半音あげて迂回フォーステップしてさらに「レイズ」してサブドミナントセブンにおさめています。格好いいですね😆当然ソロラインもそうなってます。ウエス先生はこう言った小さな工夫と言うか、ハーフステップがらみの仮想コード進行が多いと感じます。
😎
6〜8小節目。これこれ!これがウエス先生の得意技!フォーステッププラスハーフステップ連続技です。そのまんまきれいに2度のCm7に流れていきツーファイブでトニックサンカクで収まってます。当然ソロラインもこれに沿って弾いてます。
ウエス先生はこの様に仮想したコード進行をどんな曲でも多用していていると感じます。仮想したコード進行にそってソロをプレイする。どんなにアウトしてもそのソロラインからコード進行が聴こえてくる事で整った印象になりますね。
11、12小節目。最後のターンアラウンドが美しいですねー!D♭9は単純にサブドミナントセブンを使わないで、ハッとさせる響きにしています。最後のレイズもセブンスでズリっと半音さがるのではなく、6フラットのG♭△をサンカクにしてなめらかで美しい響きにしています。いや〜格好いい!😆
ウエス先生はブルースが大好き🔥🔥🔥12小節の格好良いブルースをたくさん録音して残してくれました。
このウエストコーストブルースではウエス先生の仮想ではなく、曲のコード進行としてメンバーに共有されている様です。メンバーがすごいのでテイク2以降でウエス先生の仮想妄想コードを聴き取ってしまったのかもしれません。実際当時一発録りであるモダンジャズの録音はテイク20くらいザラだったようです(映画ブルーノート参照)。「ヘッドアレンジ」ってヤツですね。回を重ねてお互い近づいて行くのかなー。あのマイルスでさえ、テイク24とかへーきで録っていたようです。それを聴いて私はなんだかホッとしました。
( ³෴³)
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