2017年2月1日水曜日

 ゴーストノート 其の参

 もともと周りの音に埋もれがちなゴーストノート(以下ゴースト)。しかしはっきり見えるおばけは信用できない!はっきりしていないからゴーストなわけです。エレキギターにおいてのいい音とは?=空気感を感じる音ではないか?=ゴーストノートをたっぷり含んだ音なのではないか?なかなか出てこないゴーストをどうすれば上手く背後にうろつかせることができるか?。結論は単純かつ難しいものになりました

 十分な音量の確保。
 ソフトかつハッキリしたピッキング。 
 共鳴させるターゲットノートの確保。
 

 ドラムの人は全てクリアしている技術だと思っております。まずアコースティックであるドラムにまけない音量が絶対必要です。パンとはじいた弦の音が、スネアをスタッ!と叩いた音と同等以上の音量でなくては話になりません(スタッ!のスはゴーストです)。でかい音のセッティングで強く弾かない。弾き方でコンプリミッターを再現させる感じです。実音とゴーストのバランスをうまくとるわけです。共鳴音や倍音、時にはノイズも仲間に入れてギター全体で鳴らす感覚です。上手なエレキベースプレイヤーはみんなこれですよね!まるでオルガンの足鍵盤の様な音を出す人を見かけます。

 またこれはノイズが出やすいセッティングで、ヘマればノイズが大きく出てしまいます。要注意です。強く弾かず、粒の揃ったラインを出すのは難しいことですが、心がけていれば気持ちよく弾けるようになります。ピックを使う人は…弦に対してなるべく角度をつけず、ピックの最大限の面積を使い、鳥がついばむ様なイメージで弾くといいと思います。指で直接弦を弾く人は…どの指にしろアポヤンド*を基本としますが、もう一つ…パチンと弦を指に引っ掛ける弾き方もおもしろいと思います。この弾き方、実は音が小さいことをご存知でしょうか?。
 大切なことは強い音を出そうと思えば即だせる状態。ブルースギターには特に必要だと思っております。

 ハウリングをおこしやすい箱物ギターや、ソリッドギターでもよほど歪んだ音色でない限り…開放弦の共鳴が利用できます。右手のパームミュート*が習慣になってる人が多いと思いますが、たまにミュートをはずしてみることも必要かもしれません。また開放弦にない音程の共鳴を狙うことがあります。押さえる訳です。ネックをわしづかみにして親指で5弦や6弦を押さえたり、人差し指でセーハしたり、コードを押さえつつメロディーをならしたり(押さえるだけでコードを弾く訳ではない)などなどです。アルバートコリンズ氏が何故12フレットにカポをつけるのか?。それはオープンチューニングの開放弦をうまく利用する…激しく共鳴させてるわけです。あの人も強烈なゴーストの使い手ですね!。

 アルバートキング師匠は、所々で強烈な重低音ゴースト*が出ています。これは共鳴と呼ぶより、でっかい手でムンズと握りしめた結果、手のひら側にある6弦が鳴ってしまってる訳です。これは狙ってやっている気がします。




アポヤンド
 縦方向に押し込むような弾き方。隣りの弦に指があたる形が弾き終わりの形。対してアルアレイははじく様に弾き、指が宙に浮いた形が弾き終わりの形。

パームミュート
 ピックを持った手の平の小指側をブリッヂに置くミュート方法。

重低音ゴースト
 アルバート師匠は6弦を全く弾きません。Low B にチューニングされたこの弦は、もしかしたら最初から…この重低音ゴーストを出すためだけに張られているような気がしてならない。ゴーストを聴き取りやすい師匠のプレイを一曲。

 (I think I'm) Drowning on dry land (Instrumental)
 Albert King Years gone by (1969)  by Stax
 

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