2023年9月27日水曜日

 

仮想妄想コード進行そのさん。


7│7│7│m7 7│

7 │♯○ │△ │7 │

m7 │7 │ 7 │


キーはCです。基本的なブルースの拡大解釈をいまさら連ねております。😎


クイックチェンジは必ず入るわけではありません(そんなん知っとるわ😎)。だいたいは一曲を通じてするかしないかですが、よくある変化型で、1番はクイックチェンジして2番はしないとかイントロはまっすぐだけど歌に入るとクイックとか結局その曲を知らなきゃわからないかもです(ベーシストは大変ですね💦いつもありがとです💦)。ギタリストでしたらわからない時のやり方はありそうす。もしわからなかったらこの場合(サブドミナントがF7)ファとミの音を出さないように弾けば大丈夫です。CとFの共通な音を使えば事故にはならないかなと思います。共有して無い音がファとミです。ヤバい音を出さない事も賢明かも 😅


4小節目。よくある音楽の構造はセブンスコードからフォーステップして「狙った」コードに落ち着くという事を繰り返しているわけです。「ターゲットノート」(通常は短音程で使われる)なんてカッコつけた言い方もあります(いちいち呼び方が必要なのか?😆 でも言葉で説明しようとするとまーまー便利ではある)

さらに迂回してもう少し前からアクションをおこそうと思って、そのセブンスの前にマイナーセブンのコードをはさみこむとこうなるわけです。フォーステップして狙ったFのコード(ここではブルースなのでF7ですがスタンダードなどでは普通はF6かFがターゲットコード)に迂回して到達させる。基本的にこんなんばっかりです。少しは自由になります。もちろんブルースでガッツリ行くもよしです。


6小節目。F♯○ (ディミニッシュ)。Fから短三度を重ねたコードです。実はこのF7とF♯○はおんなじコードです(以前のブログで解説)。ですのでディミニッシュに動いても動かなくても効果はおなじです。 ←なんでだー!ならいらんがな!

いらないのです。もともとブルースと言うスリーコードが全てセブンスと言う特殊な曲だからです。


普通のスタンダードなどではサブドミナントにセブンスは使わないから。普通のFとかF6からこのF♯○に動くのは効果絶大!大切なコード進行です。後のフォーステップの動きにいきおいをつける。大切なコード進行だからあえて入れてみました。 ←クセになってる 😅


サブドミナントからトニックに戻るための短いターンアラウンドのような動きです。半音でつなげてる感じです。とにかくよくあるコード進行。スタンダードでもブルースでもこの動きはマジでよくでてきます(例えばオールオブミーとかジョージアオンマイマインドとかノットフォーミーとかエイントノーバディビジネスとか)。トニックに戻ったら6度のコード(7)からフォーステップして解決するだけ。


4→4♯→1→6→2→5→1

呪文です。よくでます。


😎


7小節目の「C△ 」を少し補足説明してみます。私はシーサンカクと呼んでます。

ほんとはCメジャーセブンなんですが、セブンスとハッキリ区別するためサンカクと呼びます。トニック、サブドミナント、フラット6でよく使われるコードです。


△ → ドミソ「シ」

7 → ドミソ「シ


音楽ではセブンと言えば何故かフラットした7番目の音程を指すのです。キーがCならシ♭(♭)です。

セブンなんだからただの「シ」つまりBじゃないのか?なんなんだ?なんで?

これはすごく謎で私にはわかりません。なんでだろ。🙃

わかりづらいですよね。と言う理由で私は「セブン」というワードはフラットした7番目の音(♭)。それに対してフラットしてない正真正銘の7番目の音()をサンカクと呼んでます。


このコードはセブンスとは決定的かつ猛烈に違うコードです。感じとしてはトライアドやシックスと仲間です。対してセブンスはナインスとかサーティスとかのテンションがいい感じですよね。ディミニッシュの仲間です。これはここからはブルースばっかりじゃなくて、メジャーにも自由にいきますよ!って事です。いいと思います。ブルースの縛りって結構あるじゃないですか。それやーめたみたいな感じです。でもブルースなんです。💦




次回のテーマです。


7           7          

7           m7   │ 

7           7   ♯○  

△ m7│m7 ♭7│

m7 7 │♯7   7      

△   9    7♭13 │


( ³³)



















2023年9月24日日曜日

 仮想妄想コード進行そのに。

12小節のブルースは基本的に3層構造になってます。


最初の4小節で事件です。58小節はそれを繰り返し912小説でオチです。


例えば

朝起きたら彼女がいない

朝起きたら彼女がいない

よくみたらサイフもない


こんな感じです。4小節ひとくみでお話しが進む。4✖️312ですね。「2回繰り返してオチ」が12小節のブルースの呼吸です。


次は音の話です。オチをドラマチックにするコード進行を先人達はみんな考えました。代表的なのはフォーステップで自由を得る事です。「ツーファイヴ」と呼ばれるコード進行は910小節目の動きです。ツーとはトニック(このお話しはキーをCとしますね)から2番目のコード、つまりDm7。Dのコードがマイナーセブンになるのは自然な事。これはダイアトニックという事(またまたムズイワードがでてきましたね。ダイアトニックとはドレミファソラシドに臨時記号 ←シャープ ♯ やフラット ♭ を付けないでそのまま音をひろうと言う意味)。ファイブは5番目のG7。トニックに落ち着くためのコード進行です。不安定から安定へ 、安定から不安定へ、最後は安定へ。音楽の基本的な「持って行き方」です。


ここではさらにドミナントモーションとかサブドミナントケーデンスとか呼ばれる?  呼び方なんかどうでもいい😆「とにかくよくでてくる」コード進行をブルースコード進行にぶちこんだジャズマンの勇気とこだわりに拍手。自由を得るためです。全て基本はフォーステップ 4度で上がって行く事が基本になります。


7 7│m7 7 │

│  ♯○ │△ │7 │

m7 │ 7 │  │ 7│


ツッコミどころ満載ですね。次回ひとつづつ解説しますね。乞うご期待!

( ³³) つづく

2023年9月22日金曜日

 


仮想妄想コード進行そのいち。

マイルスさんもウエス先生も、ピアニストやベーシストにこのソロラインのコード進行を聴きとってあわせてほしいと心から思っていたと思います。なかなかその場では難しいですよね。ウエス先生はサウンドチェックの時、こまかいフォーステップを混じえたハーフステップ(ややムズい言葉ですが以前の投稿をご参照お願いします)の自分はこう弾いていると言う解説をしている映像音源が残っております。ありがたや!よくぞ撮って残してくれました!


😆


ブルースコード進行にギュウギュウ仮想妄想コード進行を入れてみましょう。簡単なよくあるパターンならば自分でも説明できますが、文章で書く事にやや難ありです💦お話をわかりやすくするためにキーを  としますね💦😅


12小節のブルースの一番シンプルなコード進行。


│ 7 │7 │ 7 │7│

│ 7 │7 │ 7 │7│

 │ 7 │7 │7│


簡単な変化として2小節目と10小節目をサブドミナント(キーであるトニックに対して4度のコード)にしてみます。同時にターンアラウンド(頭に戻るための動作)の動きを入れてみます。


│ 7 │7 │ 7 │7│

│ 7 │7 │ 7 │7│

│ 7 │7 │ 7 │7│


これが一番よくあるかたちですよね。2小節目をサブドミナントにする事を「クイックチェンジ」と呼びます。12小節目にドミナント(キーであるトニックに対して5度のコード)をあてる動きを「ターンアラウンド」と言います。その動きはあってもなくてもそれぞれにあじわいがあります。つまり選択できる「自由」があります。

ターンアラウンドの動きは大きく大きくおーーきく!マジでザックリわけて二つあります(ここではよく使われるパターンを紹介します。1112小節の動き方です)


│ 7 │7 │ 7 │7│

│ 7 │7 │ 7 │7│

│ 7 │7  

│ 7   7 │ 7   7 │ 

                      

これが「ターンアラウンドモーション」。1小節にコードが二つ入ってます。忙しくなってきました💦これがストレートなブルースの動き。基本的な形です。


二つ目はややジャジーな形を記しておきます。これも当たり前のように飛び交います。


│ 7 │7 │ 7 │7│

│ 7 │7 │ 7 │7│

│ 7 │7  

│ 6    │ m7    │  


ここで一気にいろんなコードが入ってきましたね。

7ではなくてC6にかわり、A7からのフォーステップ(4度進行)になりました。これは何を意味するかと言うと、そこまでのブルーススケール一発からメジャー(ドレミファソラシド)の大海原に領域を広げると言う意味です。そうならなきゃそう演奏しなきゃダメと言うわけでは無くて、音使いをより「自由」にしているだけです。つまりブルースでゴリゴリいくもよし、メジャーでソフトにいくもよし、の「自由」がある感じに聴こえます。


まだまだ書かなきゃな事満載です。順を追ってなるべくわかりやすく書いていきます。このテーマでしばらくドンドン行ってみます。

( ³³)  つづく




















 


ジャズマンの演奏するブルース。

50年代あたりのモダンジャズ録音は半分くらいブルースです‼️ ←言い過ぎですか?ですね。ごめんなさい 😎

そう言いたくなるくらい12小節のブルースが多く録音されてます(モダンジャズですから歌はありません。楽器のみで演奏されるインストゥルメンタルです)


極めて単純な12小節のブルースコード進行を妄想を交えて拡大解釈しておるわけです。妄想というとやや言い方が悪いかもです。


モダンジャズ〜ハードバップのインプロビゼイション(アドリブのソロライン)の考え方のひとつに仮想妄想のコード進行を自分で勝手に設置してそれにそってバップするやり方があります。マイルスさんやウエス先生がそうです。コード進行ありきの考え方なのですが仮想妄想コードをわかりあえる、かつ聴き取れる仲間を探しているのかもです。


その曲のコード進行が単純でつまらんと感じたならギュウギュウと勝手にいろんなコード進行をはさみこんで、それによって 「音使いがより自由になる」のかもしれない。ジャズには自由になりたい強い思いがあるのかもしれないと思いました。


仮想妄想コードにはいろんな手法があります。自分の知っているよくあるパターンを次の投稿に示してみます。またしても音を文章で表すナンセンスなやり方ですが、お付き合い下され。

ふむふむ

( ³³)























2023年9月16日土曜日

 


歌が入ったらジャズじゃなくなる気がします。私の勝手な考えですが、ジャズは楽器同士のバチバチした激しい音楽だと思います。私にはとても手の届かない世界です。


 😅


たとえばそこにジャズに「言葉」つまり歌が投げ込まれたら、例えば「あんたどこ行くの?」とか「あんた嫌いだから私出て行く」とか。

楽器では不可能な表現が歌や言葉では簡単にできる。歌が入るとその言葉の表現力にはマイルスさんもウエス先生も太刀打ちできない。楽器ではできないからです。どんなに凄いプレイヤーでも歌のバックバンドになってしまう。


😎


ハードバップの創始者と言われるチャーリーパーカーさん。誰もがお手本にしている有名な録音、バップの代表曲のような「ソルトピーナッツ」。とても面白い録音で途中に「ソルトピーナッツ!ソルトピーナッツ!」と言う歌?かけ声?が入ってますね。もしかしたら、チャーリーパーカーさんでもサックスでソルトピーナッツと語りかけることは難しかったのかなー。


ルイアームストロング先生。曲のほとんどを、たくさんの楽器でたっぷりたっぷり「ジャズ」を楽しんでそして一番最後の最後、ワンコーラスだけ自分の歌をそえるスタイルが多い。いいですよね。一曲でジャズとスィング2回楽しめる感じです。いいですね。この形がいいなと思い私も真似してます(最後の歌でぶち壊さないよう手を尽くしております💦)


音楽的には明らかにジャズなんだけど歌が入ると途端にリラックスしたいい気持ちになる。言葉が直接聞き手に入ってくる。私はこの音楽をスタンダードとかスィングとか呼んでます。


マイルスさんやグラント先生、ウエス先生のあの強烈な緊張感のある演奏。スローな曲でも、より細分化した「仮想妄想コード進行」を盛り込んで、モダンジャズの一番面白い聴き方ができる凄い作品をたくさん残してくれました。ほんとにありがとです。そしてこの人達は自分のアルバムに歌を入れる事はしませんでした。


やっぱり根本的に違う音楽なんじゃないかと思う。

( ³³)










2023年9月13日水曜日

 


ロニージョンスンさんの独特なスタイル。泣く子も黙るシンガーギタープレイヤー。モダンブルースのスタイルで弾き語りをやってしまう!マジで素晴らしい、また当時としては珍しいプレイヤーでもあります。


当時のアコギをかかえて歌うブルースマン達は、多くの人がスライドプレイを売りにしていました。コーンウイスキーの瓶の首を切って指にハメて滑らせるボトルネックと呼ばれるスタイル。


しかしロニーさんはスライドプレイには全く見向きもせず、ジャジーで都会的なプレイを残してくれました。



モダンブルース特有の歌の合間に入るフィルインやソロなど、ギター一本でなんて事なくきれいにきめてしまう。現代に通ずるモダンブルースの形をつくった重要な一人だと思います。


😎


ロニーさんは19世紀末のニューオリンズ生まれらしい。と言うことは、ルイアームストロングさんとほぼタメ年で同郷という事になる(当時の黒人達の出生は非常に不明瞭な事が多く正確ではない)


という事はサッチモやビリーホリデーの様に、同世代の黒人プレイヤー達の北部への大移動を経験している可能性が高い(映画ニューオリンズ参照)19世紀初頭までミシシッピ川流域のほとんどがフランスとスペインの植民地でした。ヨーロッパ文化が浸透しているニューオリンズの街並み。私も何度か訪れ、そのロミオとジュリエットの世界の様な建物のテラスから、手を振ってくれる方達がおりました。音楽も同じだと思います。ロニーさんのプレイを聴くと、ヨーロッパのにおいがします。


プレイスタイルは、その大きな手でギターネックを鷲掴みにする徹底的シェイクハンドスタイル。このスタイルの人はよく親指で低音弦を伸弦する人が多いのですが、ロニーさんはあまりやりません。


常にフラットピックを使い、ギターのチューニングはレギュラー。キーはEとGが多い。


ブルーススケールとメジャースケールを組み合わせた、モダンブルースのお手本のようなソロを聴かせてくれます。明らかなオルタード系の音使いは少なく、それらしいコードも私は聴いた記憶がありません。


コードフォームが独特です。

コードプレイは基本トライアド(ドミソ)が圧倒的に多く、セブンスやシックスやサーティスも使いますが、あきらかに狙って音の流れからアクセントとして使っています。


その独特なシェイクハンドスタイルのトライアドコードフォームを文章でなんとか説明してみますね💦


まずは 


6弦 → 出さない(ミュート)

5弦 → 5フレット薬指

4弦 → 5フレット小指

3弦 → 4フレット中指

2弦 →  出さない(ミュート)

1弦 → 3フレット人差し指


この形がロニーさんの基本的なトライアドを押さえる時の指の形です。親指はガッチリネックを握っています。


さあここからです。とても合理的なこの形を使うと、トライアドなら何でも簡単に押さえる事ができます。

例えば全くおなじ指の形のまま一つ低音弦側に移動してみます。


6弦 → 5フレット薬指

5弦 → 5フレット小指

4弦 → 4フレット中指

3弦 → 出さない(ミュート)

2弦 → 3フレット人差し指

1弦 → 出さない(ミュート)


これで  になります。

そのまま半音上げるとEですね。


ロニーさんの有名なイントロがあります(トゥモローナイトなどなど)。いろんな曲でほぼほぼ同じメロディのイントロが聴けます。キーは全てEです。もろにこのフォームのままアルペジオをしているわけです。


ロニーさんの世界は100年経ちました。みんなから尊敬され、まだまだずーっと続いてほしいと思います。

( ³³)