ブルーススケール 其の弐
コードが変わろうが変わるまいが、どーなろーが我が道を行く。勝ち気で勢いのあるブルーススケールの使い手に私は敬意を表します。一本気なハーモニカプレイヤーとか、アルバートキング師匠のように、どんな曲が来ようと同じ音使いで押し切れるギタリスト。ボビーブランドやジミーウイザースプーン先生方の様に歌唱で全てを表現してしまう。うーむ、私なぞ一生かけても無理でしょう。
ブルーススケールをマイナーペンタトニックと命名されるのは間違いなく間違いで、これはセブンスのテンション*である♯9の音をマイナーコードのキーワードである短三度の音程と勘違いしているためです。このブルーススケールでは三度の音程をオミット*することによって、より広く大きく、サブドミナント7th*などのあらゆるコード進行にも対応し、また♯9とセブンスの音が、よく使われる6セブンスや2セブンスといったコード進行をオルタードにカバーする*?とても合理的な音列です。一つのスケールで一曲を弾ききる!まさにブルーススケールという命名がぴったりであるわけです。テンションを含んだ、ある意味とんがった?オールラウンドなスケールなわけであります。とても力強い基本がブルーススケールにあるのです。そして!非常に大切な事がメジャースケール*のブレンドです。
ブルーススケールに当たり前の様にメジャースケールを混ぜ込みます!。混ぜ込んで初めて、本当の意味でのブルーススケールになります。メジャースケールに近づいたり遠のいたり、ちょこっと混ぜたり、知らん顔したりすることで、音列に変化をつけていきます。BBキングやロニージョンソンはうーんとメジャースケール寄り。アルバートキングやバディーガイはガツンとブルーススケール寄りです。Tボーンウオーカーはバランスよく、常に真ん中あたりをいっており、モダンブルースの父と呼ばれる所以なのでしょうか。このブルーススケールとメジャースケールのバランスが、プレイヤーのひとつの個性になっているのかもしれません。この方法は、黒人ブルースギタリストならばほぼ全ての人が実践している手法です。つづく。
(本文は敬称略とさせていただいております。)
*セブンスのテンション
セブンスコードについて少し書き留めておきます。以前にも紹介しましたが、和名で属七と呼び、おかたい理論書ではドミナントセブンとあるでしょう。ルート、長三度、五度、フラット七度(なぜか七度だけはフラットした七度の音を7thと記載する)の四和音がセブンスです。C がルートでしたらドミソ♭シです。長三度ですからあくまでメジャーコードなのです。ブルースは三つのコードが全てセブンスになっている事が特徴となっております。
セブンスにはテンションと呼ばれる五番目以後の音を自由に加える(実はセブンスだけではなく、全てのコードにテンションは加えられるのですが)ことが多く、全て記載しますと…♭9th 9th ♯9th 11th ♯11th ♭13th 13th となります。例えば 9thは9番目の音で、C ならばドが1番目。そのコードがマイナーだろうが何だろうが普通のドレミファソラシドで順番に数えていきます。するとレになります。そのレの音を加えれば、C7 9th となります。ドミソ♭シレです。
*オミット
表現しない。その音をださない。
*サブドミナント7th
キーが Gの場合…トニックが Gで4度上のサブドミナントが Cです。ちなみに5度上のドミナントが D。中学校で習った主要三和音ってヤツです!ドミナントが7thになるのは当たり前なのですが、サブドミナントが7thになる事が肝心!。それだけでブルースフィールたっぷりになり、ある意味ブルースの決め手であります。
*オルタードにカバーする?
それぞれのセブンスコードに含まれるテンション(♯9thや♭13thなど)でカバーできます!
*メジャースケール
キー C であれば…ドレミファソラシド。
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